光の中で半導体のナノ運動とフォースを読む! ~光による構造的強さの変化を測るために~
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科の中村 篤智 准教授、松永 克志 教授らの研究グループは、独ダルムシュタット工科大学のXufei Fang (シューフェイ・ファン) 博士および東京大学大学院工学系研究科総合研究機構の幾原 雄一 教授、栃木 栄太 助教との共同研究で、半導体に外部から光(フォトン)と力(フォース)を同時に入射する手法を新たに開発し、結晶のシワ(転位)の運動が光照射で変化する現象をナノスケールで計測することに初めて成功しました。
<ポイント>
・本研究は半導体材料の構造的な強さに関するものである。モバイルデバイスに半導体が多数用いられるようになり、半導体の構造的な強さを正しく評価することの重要性が増している。
・半導体の構造的な強さは、周囲の光環境に依存して、より強くなったりより弱くなったりする。
・半導体の構造的強さは内部のシワ(転位)のナノスケール運動が支配している。これまで、その運動を計測する手段が限られており、実態の多くは未解明だった。
・本研究では、光ファイバーを通して光(フォトン)と力(フォース)を同時に入射し、半導体内部のシワのナノスケール運動を計測する手法(光インデンテーション法)を開発した。
・その結果、シワの発生に光はあまり影響せず、光はもっぱらシワの平行移動に強く影響していることを初めて発見した。
・ナノスケールでシワの動きを計測する方法が確立できたことで、多種多様な各種半導体の強さを正確に評価することが可能になった。
・半導体の強さを正しく理解できるようになると、半導体の信頼性や耐久性の向上につながるほか、使用する材料の量を減じた省元素設計が可能になる。
詳しくは下記URLをご覧ください。
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20210218/index.html
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20210218_engg1.pdf
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP605310_Y1A210C2000000/
http://optronics-media.com/news/20210218/72157/